マドンナの光枝との結婚を夢見る寅さんだが、
その夢は紙風船のように破けてしまう。
旅先の旅館、寅さんは相部屋を頼まれる。
なんと若い女の子、家出娘の愛子だ。
「始めに断わっておきますけど、同じ部屋に寝たって、
おじさんと私とは関係無いんですからね、
口きかないでほしいの」
「お互い名前だけでも名乗ろうじゃねえか、
俺は東京は葛飾柴又の生まれで車寅次郎というんだ、
人呼んでフーテンの寅という男だ」
「どうしてフーテンっていうの?」
・・・何故かフーテンという言葉に食いつく愛子
「故郷を捨てた男だからよ」
「面白いタイプねおじさんって、今何考えてんの?」
「ねえちゃんと同じことだよ」
「いやらしい!・・・あれ?・・・えへへ、イヤハハハハハハ」・・・┐( ̄ヘ ̄)┌
それからずっと寅の後を付いて来る愛子。
帰れと言っても帰らないので仕方なく一緒に商売の旅をする
明るい愛子はサクラも上手で商売も順調だった。
普通なら寅さん惚れるとこだが、18作で櫻に怒られて以来、若い女の子にはまともに恋はしない。
寅さんは商売仲間の”カラスの常”の女房、光枝と会う
そこで常が病気だと聞かされる。見舞いに行くと、
「俺が死んだらくさ、あいつば女房にしてくれんね」
寅さんは冗談だと思って軽くあしらう
ところが、帰り道で光枝から、常がもう長くない事を知らされる。
友人の病状のショックと光枝を託された事に考え込む寅さん
愛子に置手紙を残して寅さんは柴又に戻ることにした。
例によって、結婚を考えると一旦柴又に戻り皆に相談する寅の習性。
そこにまたまた追いかけてきた愛子、しばらくとらやで過ごす。
狭い参道を猛スピードで走る一台の車
とらやの前で急ブレーキ。
櫻とおばちゃんがびっくりしていると運転手が物凄い剣幕でとらやに入ってくる
「愛子いるかな!愛子!愛子~!!!」
マグロ漁師の愛子の兄貴だった。学校を辞めて家出している愛子を叱る。
愛子も負けずに反抗するのでとらやで大喧嘩になる。
「学費出してやった恩も忘れてフーテンなんかになりやがって!金返せ」
「おう!返してやる!何だその位の金!その気になりゃ10万20万一晩だよ!!」
「殺してやる!」
「殺せ~殺せ~!!」
・・・落ち着くと兄妹二人で帰っていった。マグロ一本土産に置いて・・・(^^;)
寅と櫻とはまた一味違った兄妹愛だ。
真人間になる決心をした寅さん
お寺へお参りなどをしながら気持の整理をして過ごす
いよいよ光枝さんと結婚を真剣に考える。
そこでタコを出入り禁止にして家族会議
・所帯道具は博がお祝いで用意する
・住むところはとらやの2階。ただしプライバシーの問題で大幅リフォーム
・専用出入り口の増設(理由はタコよけ)
・結婚の時期は御前様に相談・・・・が反対される、感覚がずれていると寅さん怒る。
そしてなんと寅さんは就職試験まで受ける。
・・・ここまで具体的に結婚に向けて準備をしたのは始めての事だった。
柴又駅、光枝を送っていく寅さん、
「うちの亭主変な事言わなかった?」
「俺が死んだら寅の女房になれって、寅にも話してあるって言うんだよ」
「本気で約束したの?」
「・・・病人の言うことだからよ、適当に相づち打ってたのよ」
「本当?」
「・・・ああ・・・本当だよ・・・」
「じゃあ良かった、寅さんが本気でそんな約束するはず無いわね」
・・・・私には少し光枝さんが期待していたようにも見えた、そんな微妙な表情だった
けどまあ寅さんと光枝さんでなくてもこのシュチュエーションでは難しいだろうなあ
男はつらいよ~寅次郎紙風船
寅さん初めての結婚準備も報われなかった
「そんな夢を見た事もあったっけな」
だけど準備だけでも嬉しかったよ、ファンの私には・・・。
ところで、
この作品、寅の同窓会のシーンがあるが、少し言いたい、
大工の茂!前まで寅さんと仲よさそうだったのに何だ!
でべそ柳!自分の初恋の人、櫻の兄になんて態度だ!しかも妹のパトロン様だぞ!
しらみ猿!君が怒るのはしょうがない、許す。
大体みんな、同級生くらい寅さんを理解してあげてやってくれよ・・・(▼▼メ)
満男は、「誰だって卒業できるんだよ、小学校は」・・・なんて言ってたが
満男は小学校に8年いった疑惑がある。
寅おじさんはムツゴロウが眠った様な顔してるが6年で卒業したぞ、
だぼはぜの様な顔の源ちゃんは・・・・どうなんだろ・・・( ̄ー ̄?)
男はつらいよ 寅次郎紙風船
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コメント
茂はヒノキ材使わされて、屋根の下からおしり叩かれてたので
まあしょうがないとしても(^^;)
あの!明らかに寅と仲の良かった
優しい柳文彦の変わりようには
驚きましたね。
あんなことは絶対ありえないですよね。
で、なんだかくやしいので、
もうあれは全くの別人っていう設定と考えましょう!
あだ名も(12作)「でべそ」と(28作)「かわうそ」で
違うことですし、別人別人(^^;)
1対1だとやけにやさしい人って確かにいますよね。
しかし納得いかないなあ
わからない様に顔を黒く塗って
校長を棒っきれで殴る・・・
そんな奴いたらクラスの人気者だろうになあ
伝説の男ですよ
映画評「男はつらいよ 寅次郎紙風船」
☆☆☆(6点/10点満点中)
1981年日本映画 監督・山田洋次
ネタバレあり
男はつらいよ/寅次郎紙風船
男はつらいよ/寅次郎紙風船(1981/日本)
評価(お奨め度)★★★☆☆
監督: 山田洋次
製作: 島津清/佐生哲雄
企画: 小林俊一
原作: 山田洋次
脚本: 山田洋次/朝間義隆
撮影: 高羽哲夫
美術: 出川三男
編集: 石井巌
音楽: 山本直純
助監督: 五十嵐敬司
出演: 渥美清/倍賞千恵子/音無美紀子/岸本加世子/下絛正巳/三崎千恵子/太宰久雄/佐藤蛾次郎/吉岡秀隆/前田吟/笠智…
『男はつらいよ 寅次郎紙風船』28作目(1981・日本)ネタバレ感想。元ヤン音無美紀子の凄み。。
マドンナ = 音無美紀子
ゲスト = 岸本加世子、小沢昭一
冒頭、いきなりテレビの料理番組が映し出される。
そこに「車寅次郎博士、ノーベル賞受賞」のテロップ。
これには笑ってしまった。
映画の中のテレビ。
テレビの中の臨時ニュース。
すごい凝っているなあ。上手い!
今回は、テキ屋仲間の小沢昭一から、
「オレが死んだら女房をもらってくれ」
と頼まれるという話…