男はつらいよ~寅次郎物語

男はつらいよ

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放浪の男と薄幸の少年の二人旅。

郡山からはるばる寅さんを訪ねて
一人の少年がやって来た。
名前は秀吉
寅さんが名付け親だ。
その子の父親は寅さんの商売仲間の
極道者「般若の政」
女、酒、博打にあけくれ、女房のふでに逃げられて
サラ金から追われながら秀吉と二人で暮らしていたが
「俺が死んだら寅さんを頼れ」と言い残しこの世を去った。
寅さんは母親のおふでさんに会わせる為に、
秀吉と二人で旅にでる。

和歌山に向う途中、天王寺駅では寅さん
誘拐犯に間違えられて警官から職務質問
・・・警官としては当然 (;^_^A
疑い晴れた寅さんは足止め食らったので宿の手配を要求
希望は和室で和式便所で宵っ張りで色っぽい女中のいる宿だった。
しかし宿の女中は真逆。タンの切れないおばちゃんだった。
その夜、政の位牌と酒を酌み交わす寅さん
「どんな人間でも悲しまれ惜しまれ死ななきゃならない・・・
たった一度の人生を粗末にしやがって・・・」



やっとおふでさんの働いていた旅館についたが、もうおふでさんは辞めていた
フラフラの寅さんはその旅館に宿泊する。
その夜、秀吉君が高熱を出してしまい、もう寅さんパニック。
電話で櫻に怒られて医者を呼ぶことに、その間、
隣の部屋に泊まっていた隆子が看病に加わってくれる事になった。

寅さんが無理やり引っ張ってきた医者はもう隠居したおじいさん、しかも耳鼻科。
嫌がっていたが、子供の症状を診るなり激怒
「何でほっといたんや!!こんなんなるまで!!」
「割り箸ないか!割り箸!!」
「何か召し上がるんですか?」
「馬鹿!!舌を押さえるや!!」
「父さん、もう一度病院行って薬持ってきなさい!!母さん、部屋温めなさい!!」
「ご主人コーヒーを入れてくれ」

「コーヒーが効くんですか、こういう場合は」
「馬鹿!!ワシが飲むんじゃ!!」
「常識だよ、馬鹿!!」
「お母さん、お尻出しなさい!!」
「え・・・・」
「あんたのじゃない、子供のお尻じゃ・・・なんちゅう母親だまったく」
「坊や、頑張れよ、おじいちゃんも一生懸命手当てするさかいな!」 
・・・寅さんと隆子は大慌ての看病の中、すっかり父親と母親の気持になっていた。
翌朝すっかりよくなり安心しあう二人、
・・・隆子は秀吉の看病での充実感で一杯だった、
寅さんも隆子に恋心を抱くが二人の仲は秀吉の寝小便に水をさされてしまう。


ついに寅さんはおふでさんに秀吉を会わせる事が出来た。
おふでは秀吉を抱きしめて、いつまでも泣いていた。
帰ろうとする寅さんを、秀吉が追いかけてくる。
「いいか、秀吉。よ~く聞くんだぞ。おじさんはな、
あのろくでなしのお前の親父の仲間なんだ。
いい年をしておっかさんの世話もみねえ、子供の面倒もみねえ
そんなお粗末な人間になりてえか?なりたくねえだろ。
だったらな、このおじさんの事はさっさと忘れて
あの母ちゃんと二人で幸せになるんだ。
分かったな、分かったら行け!!
まだ分からないのか、おじさんおこるぞ!!さっさと行け!!」

・・・泣きながら追いかけてくる秀吉を振り切り、船を出す寅さんだった。

私はこの場面で涙が溢れ出してしまう
秀吉君が可愛そうなのではなく、
寅さんという人間の立派さに心が震えるのだ
寅さんは立派な人だ。世界中探したってこんな立派な人はいない。
御前様が言うように仏様が寅さんの姿を借りているのだ。


男はつらいよ~寅次郎物語
最初から最後まで寅さんに、大切な事を幾つも幾つも教えられる作品だ。
最後、満男の”人間は何の為に生きるのか”という質問に寅さんはこう答える
「ああ生まれてきてよかったなあ・・と思うことが何遍かあるじゃねえか、な、
その為に人間は生きてるんじゃねえのか」



ところで、
ついにおばちゃんはタコ社長の本名を忘れてしまった。・・・( ̄▽ ̄)




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コメント

  1. 彰(あきら) より:

    この作品まずタイトルがいいですよねえ~。

    松村さんはしかし、いつどこで出てきても、
    もうそれだけで笑えます。
    あの人耳鼻科なんですよねえ(^^;)

    おばちゃんって、人の名前これでもかって
    言うくらい覚えませんよね。

    リリーをジュリーさん&メリーさん。
    ボタンをリボンちゃん。
    春子先生を秋子先生(11作&13作で2回も!)
    などなど。。。

    しかし、そんな名前覚えないおばちゃんも
    源ちゃんにはぶっちぎりで負けます。

    源ちゃん、なんせ14作で自分の本名を
    さくらに聞かれて
    「…?」って考え込んでましたから。
    誰も勝てません、これは(^^;)

  2. RUU より:

    「おじいちゃんが一生懸命手当てするさかいな」
    ・・・手当てっていい言葉ですよね
    具合の悪い人の背中に手を当てているだけで
    その人の治癒能力が高まるんだそうです
    それで「手当て」というらしいですよ。

  3. 映画評「男はつらいよ 寅次郎物語」

    ☆☆☆★(7点/10点満点中)
    1987年日本映画 監督・山田洋次
    ネタバレあり

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