つねさん語録 №8

本名:車つね。
寅さんの叔母。我らがくるまやのおばちゃん。
キップはいいが、涙もろくて心配性。超がつくほど現実主義の彼女は
柴又の涙と笑いのポイントゲッター。

つねさん語録 №8

「男はつらいよ~寅次郎恋歌~」 (8)

博の母親の訃報から、しばらく博の父親、颷一郎とすごした寅さん
そこで寅さんは颷一郎から大切な話を聞かされる
颷一郎が昔、一人で旅をしていた頃の話だ・・・
田舎の夜道を一人、心細く歩いていると、一軒の農家があった
窓から、明々とついた明かりがもれていて
その明かりの下では、家族が賑やかに夕飯を食べている
その庭先には、いっぱいに、りんどうの花が咲いている。
そんな光景をみた颷一郎は、
人間が家族で寄り添って、自然の恵みを愛でて生きていくこと
あたり前の人間の生活というものの大切さをあらためて思いしった・・・
その話は寅さんにとって、それまでの寅次郎の、
女房子供を持たない、気ままなフーテン暮らしが
どれほど人間の運命に逆らっているものかを痛烈に思い知るものであった。
心を入れ替え、まっとうな暮らしをしたいと、皆に相談する寅次郎だったが・・・



「例えば日暮れ時、農家のあぜ道を一人で歩いていると考えてごらん
庭先にりんどうの花が、こぼれるばかりに咲き乱れている、農家の茶の間
明かりが明々とついて、父親と母親がいて、子供がいて、賑やかに夕飯を食べている
これが、これが本当の、人間の生活というものじゃないかね・・・君!」

「え、ええ、まあ、その通りですね」 ← 真剣に聞いてなかった博、焦っている
「お兄ちゃん、本当よ、とってもいい事言うわ」
「俺も、色々と考えたからな。」

「ちょっと悪いんだけどねぇ・・・
親子で晩御飯食べてるだけの事で、
何でそんなに感心すんだい?」


「そうよ、どこでもやってるじゃねえか、その位の事は」
「ただ食べてるんじゃないんだよ、庭先にりんどうの花が咲きこぼれていたの」
「りんどうの花だったらうちにも咲いてるよ」
「電気が明々とついてさ」
「夜になりゃ電気つけるだろ、どこでも」
「ああ~分かってないな~これだから教養の無い人は嫌なんだよ
話合えないという感じがするものね~~なあ博君」
 ← 説明を博に丸投げ
「え!ええそうですね」 ← またまた聞いてなかった博
「つまり・・・兄さんの言いたい事は、
平凡な人間の営みの中にこそ、幸せがある、とでも言うのかな」

「そう!営み!」 ← 営みというフレーズを気に入ったらしい
「言ってみれば、人間には人間の定められた生活があるという事じゃないですか」
「・・・?」
「分からないんだろうね~~
考えて見ると、俺も長い間人間の運命に逆らって生きてきたものよ~」

「そうかい?そんなに
逆らっちゃいねえと思うけどなあ」
 ← そこは逆らってるって事でいいじゃん
「逆らってますよ!16歳の折からずっと逆らってますよ俺は!」

「で?、要するにこれから
どうしたいんだい寅さんは?」


「何だよその冷たい物の言い方ぁ!
そんな事まで一々おばちゃんに言わなきゃ分かってくれねえのか?」


「じゃ・・・電気の下でご飯食べたいの?」

「違う違う!!分かんないのかな本当に!!なあ櫻」
「う~んつまり・・・結婚したいって事?」
「え?!いやあ!そんなにはっきり言われちゃうと、困っちゃうんだけどさ・・・」



そんなこんなで、結婚して地道な暮らしを願う寅さん
このあと、近所の評判の美女、貴子と出会い、恋に落ちるのだった。


—————————————————————————


おばちゃんは、
この手の寅さんの理想を、さっぱり理解できないのは前途の通り
何と今回はおばちゃん、理解は無理と判断
「何が言いたいの?」的な発言しちゃう
寅さんにいくら怒られても、
”わかねえモンはわかんねえ”的になげだすおばちゃんでした。


ちなみに寅さんも実はそれ程真剣ではない
博の父から聞いた話を、わが身に染みた話として
皆に披露したいだけ。
そんな寅さんを分かっている博さん、話半分であまり聞いてません
ただし櫻は超感動。




コメント

  1. 彰(あきら) より:

    寅ってこの手の話のときは
    必ず博にまとめさせるのが笑えますよね。
    また博がまとめるの上手いんだこれが(^^)

    寅はほんとはほとんどわかってないんだけど
    とにかくとらやのみんなに言いたいんですよね(^^)
    わかるわかる。小さい頃僕もそうだったです。

    「つまりだ、明日行くから明日聞けばいいと
     思っていたところが、ほら、ゆんべ死んじゃった」
    って平気で言う人ですからね(^^)

    でも、さくら、あの寅の会話からよく
    「つまり…、結婚したいってこと?」って分かりますよね。
    天才的な洞察力ですね(^^;)

    おばちゃんのこの手の天然ボケは第11作でも炸裂~!
    「第一ねえ、御不浄が困っちゃうんだよ、女はぁ…」
    もう笑うしかないです…(T T)

  2. RUU より:

    彰さん
    そうですね、言いたいだけ
    それも気に入ったフレーズ
    を使いたいだけ
    今回は
    りんどうの花がこぼれるばかりに
    明かりが明々と
    人間の生活、運命

    博君も大変です( ̄_ ̄ i)

    でもって、話したとたん
    おばちゃんの逆襲
    「ただ食べてるんじゃない・・・」
    の時の寅の落胆した顔が
    たまらなく面白いです

  3. 小寅 より:

    「とらやの茶の間 りんどうの花」編の
    おばちゃんは冴え渡ってましたね!
    寅がグロッキー状態でしたもんね。
    きっと、
    さくらの援護がなければ
    寅はおばちゃんに
    KOされてたでしょうね♪(笑)

  4. RUU より:

    小寅さん
    おいちゃん、おばちゃん
    櫻、博の役割分担が
    しっかり行き届いた場面でした
    (^_^)
    僕はこのシーンが大好きです

タイトルとURLをコピーしました