死んだ仲間の娘、すみれを何とか幸せにしてやりたいと、
父親がわりの寅次郎が奮闘する物語。
北海道の江差、まつり「第18回全国江差追分大会」
で商売をする寅次郎 (珍しく寒い時期に寒いところで商売)
そこで仲間のしっぴんの常が死んだ事を知り、墓参りに行く。
宿で常の一人娘のすみれに相談を受ける寅次郎
すみれは東京へ出て働きながら、学校に行きたいという。
「東京行ったらな、ここへ訪ねていきな」
「・・・これなんて読むの?」
「おう、それ、葛飾柴又帝釈天だ」
「・・・と、とうきょう・・・?」
「あの、上野駅降りたらな、これを見せろ人に、ここ行きたいって」
「はい・・・」
「あっ、ちょっと待て、あのな、
あんまり目つきの悪い男に見せるなよ、学生さんに見せろ」
「はい・・・」
「あっ、ちょっと待った、今あの学生っつったけどな
学生、ダメ、おまわりにしろ、おまわりなら大丈夫だ」
「はい・・」
「あっ、ちょちょちょっと待った!!おまわりって言ったけどね
それも人によるよ!!おい!!」
結局寅さんは一緒に東京に連れて行ってあげることにした。
柴又では誘拐犯が公開捜査になり、
青山巡査が似顔絵を持ち、とらやに捜査協力の依頼に来ていた
これがなんと寅そっくり。
悪いけどこういう時にあの人は帰って来ます。しかもすみれを連れて。
善良な市民、備後屋が青山巡査に有力情報を入れる。
「ちょっと・・・交番まで来ていただけるでしょうか?」
「いいよ・・・交番好きだから・・・っともう我慢できねえこの野郎!!!」
乗り突っ込みでキレる寅さん
「やいこの野郎!!面が四角けりゃ犯罪者か!!!
なんだテメエ長引いた面しやがってこの野郎!!!」
「ああ!!あんた僕のアゴの事を言ってるんだね!!」
青山巡査は寅に地雷を踏まれてキレた。二人は取っ組み合いになる。
・・・その人に任意同行かける時は応援要請しないと。青山巡査 (^^)
「やめてぇ!この人が何したって言うんだよ!
寅さんはいい人だよ、あたしの父ちゃんの友達で
東京まで心配して一緒に来てくれたんだわ。
そんな人を警察に連れて行くなんて、馬鹿だよ!!!
何年警官やってんだ!出世なんかできるもんかお前なんか!!!」
すみれの物凄い啖呵に事態は収まった。
とらやに下宿するすみれ、定時制高校の編入試験の日。
<試験受付>
「ようよう、おじさんよう」
「君ぃ、人を呼ぶのにおじさんて事ないでしょ」
「ああ、すいません、小遣いさん、夜間の職員室はどちらですか?」
「夜間って言い方今ありません、それを言うなら定時制と言いなさい
ついでだけど、小遣いじゃなくって、主事と言って下さい」
「じゃそのう、職員室はどっちなんですか?主事さん」
「僕は主事じゃありません。教師です。」
「だったら初めからそう言ってくれりゃいいじゃないか」
「定時制の職員室はこっちですから、ついて来なさい」
「かわいくないな~~~」
<筆記試験>
試験中ドア開けて、アゴでくいくい、指でちょいちょいと試験管を呼ぶ寅
試験管に二千円を渡そうとする
「暇な時、ちょっと駅前でパチンコでもやってよ、気持だから」
「何するんだ!やめなさい!!」
<面接試験>
緊張して何も答えられないすみれを見かねた寅
「それについては、わたくしの口から説明・・・」
「あなたね!!、何遍も言いますけど、口を挟まないで頂きたい」
それでも口出しせづにいられない寅さん、ついには江差追分まで歌いだした為
ついに強制退場・・・っていうか何で最初からいれるんだ?
「冗談じゃないよ、そっちの聞き方がいけないんじゃないか!
おっかない顔してよ!ここは警察の取調室かい?この娘は犯人じゃないんだからさ」
・・・すみれはこの状況で奇跡的に合格する。
とらやで合格祝い。すみれは皆へのお礼に江差追分を披露するのだった
・・・これがまたかわいかった (* ̄∇ ̄*)
函館で大工をしている貞男がすみれを訪ねてきた
二人は元恋人同士でケンカ別れをしていた。
話し合って二人でもう一度やり直すことに。
その夜、すみれは連絡もせず朝まで戻らなかった。
心配で夜明かしの寅さんはすみれをにらみつける。
すみれは貞男と結婚する事をつげるのだった。
「寅さん怒らないで、お願い。」
「怒らねえ、幸せになれるんだろうなおめえ。」
「うん・・・きっとなる・・・」
「もしならなかったら、俺は承知しないぞ、いいな。」
男はつらいよ~寅次郎かもめ歌、
寅さんが父親がわりになってくれたことで
すみれの人生は開けていった。
自分も教育を受けたいと出した
寅さんの入学願書がほろ苦かった。
ところで、
教室のシーンが印象深い
特に「国鉄職員の詩」はすばらしいものだった
博が念願の家を買った。
空き部屋を「お兄ちゃんの部屋よ」という櫻でした。
今回は寅さん恋はしません
18作で櫻に怒られて以来、若い娘にまともに恋はしないのです・・・多分
ところで、イカ割きのおばちゃん達、
今度巡礼ツアーする時は、
是非僕もご一緒させて下さい・・・見たい・・・(* ̄∇ ̄*)
男はつらいよ 寅次郎かもめ歌
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コメント
「試験の成績で落としたりしないと思うけどなあ
そんなことで人間を評価しないのが定時制高校なんだ」
博いいこと言うなあ(TT)
寅が「落ちる」「すべる」を
どれだけ言いまくろうが、大丈夫!
「学ぼう」という心ひとつあれば大丈夫!
最後はおばちゃんのお百度参りのパワー
ですべてOK!
ところで、あの『寅のための部屋』
あれは、博が偉いですよね。
快く、さくらの提案をOKしたんでしょうね。
博が最初に提案してくれたのかも…。
寅、34作で酔っ払った時、
一度だけお泊りしてましたけど、
あのお泊りの翌朝時寅が着ていた
みどり地の花柄ハンテンは、
奥尻ですみれちゃんも着てましたね。
で、→焼津で愛子!→寅→満男の部屋(37作)と
転々とお下がりになっていくのでした。
僕はあのハンテンになりたかった…(^^;)ゞ
それにしても
源ちゃんの2万円…あああぁ。。。(TT)
僕もストリッ…いや、巡礼ツアー参加したいんですが、
まだ間に合うでしょうか(^^;)ゞ
あの寅の為の部屋
今頃、満男と泉の子供の部屋に
なっているのでしょうかねえ
おばちゃん、お百度参り中に
源が金数えているのを発見して
注意してましたね
本当に面白い人だおばちゃんは
全国江差追分大会はすごい
56人以上の人が
次から次へと江差追分を歌うまつり
凄いパワーです
寅の商売仲間は「常」が多いですね
しっぴんの常
からすの常
満男と泉ちゃんは今時の人ですから
気楽に近所のアパートに住んで、
相変わらずあの部屋は空き部屋(寅のための部屋)
のような気がします。
しかし、寅って泊まんねえなあ~(^^;)
トイレ様式、風呂桶の素材、パジャマ、ハンテン、あたりに
その理由があるのでしょうか?特にトイレ…(^^;)
あ、朝食も別枠で作んなきゃならないし…。
第1作ではかろうじて便器であるとの認識を持っていました
「西洋式か?上げぶたの」
第7作ではその認識は忘れ去られて
「あれは西洋の洗面器か何かか?」
その後もやっぱり洋式便所はダメなのでしょう
寅さんも痔漏かな
男はつらいよ/寅次郎かもめ歌
男はつらいよ/寅次郎かもめ歌(1980/日本)
評価(お奨め度)★★★★★
監督: 山田洋次
製作: 島津清
製作補: 佐生哲雄
企画: 高島幸夫/小林俊一
原作: 山田洋次
脚本: 山田洋次/朝間義隆
撮影: 高羽哲夫
美術: 出川三男
編集: 石井巌
音楽: 山本直純
助監督: 五十嵐敬司
出演: 渥美清/倍賞千恵子/伊藤蘭/米倉斉加年/あき竹城/笠智衆/下絛正巳/三崎千恵子/前田吟…
映画評「男はつらいよ 寅次郎かもめ歌」
☆☆☆★(7点/10点満点中)
1980年日本映画 監督・山田洋次
ネタバレあり
『男はつらいよ 寅次郎かもめ歌』26作目(1980・日本)ネタバレ感想
マドンナ = 伊藤蘭
ゲスト = 松村達雄、村田雄浩
寅さんが、昔の仲間の娘(伊藤蘭)が定時制高校に通う手伝いをするという話。
松村達雄の詩の朗読が素晴らしい。
がしかし、これが寅さん映画でやるべきことかというと、ちょっと違う気がする。
観客が寅さん映画に期待しているものは別にあるのではないか。
物語の最後のほうで、寅さんがひそかに定時制高校に入学願書を出していた………