男はつらいよ~知床慕情

男はつらいよ

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オジロワシが羽を休めるように、知床で恋をする寅次郎


「当分の間休業します・・・とらや」
おいちゃんが肺炎で入院したのだ。
良いのか悪いのか、こんな時にあの人が帰ってくる。
早速病院にお見舞い。寅は同室の患者全員に
バナナを一本ずつ見舞いとして渡す。
担当医には手土産のウイスキーを
渡そうとして断わられる。




櫻とあけみの協力で、明日から店を開けることにした。
寅さんも「何でもやる」というので、
皆で寅の分担を話し合う。
団子の成形・・・・手のひらでくちゃくちゃやってると体中にかゆみを発症してしまう。
団子の串さし・・・串の先端がとがった形状の為、目に突き刺す恐れがある。
あんこ作り・・・・・あんこの臭いの成分に、寅をあきさせる物質が含まれている。
配達・・・・・・・・・・股ズレを起こしやすい体質の為、自転車には極力乗らない事にしている。
帳簿係り・・・・・・・無理
掃除、お茶だし・・面子が立たない。何でもするとは言ったが、茶坊主をするとは言っていない。
結局、寅は金庫番として主人らしく、帳場に座っている事にする。
開店直後、早くもあくびをする。眠気を覚ます為、虫眼鏡で店先を見てみる。
団子の電話注文を受けるが、さしでがましくなるので、配達先までは聞かない。
漫画を読みだすが、あけみに取り上げられる。
最終的に寝る。起きると若旦那は備後屋達とビールを飲みに行ってしまった。


北海道、知床を旅する寅さんは、やもめ暮らしで、無骨者の、
上野順吉という獣医の先生と知り合いになり、しばらく彼の家で過ごす。
近所のスナック「はまなす」の悦子かあさんや
船長をはじめ、真人たち、知床の自然を守る会(旧、りん子ちゃんの純潔を守る会)
という気の良い人々も、寅に心を開き、短い夏を精一杯楽しむ。
そんなある日、駆け落ちまでし東京で暮らしていた順吉の娘、りん子
結婚に失敗し故郷に帰ってくる。「優しく迎えてやれ」という寅をよそに
順吉はりん子を叱ってしまう。
父娘は、寅さんのおかげで、何とか仲直りができた。


順吉は、身の回りの世話をしてくれている悦子に惚れていた。
寅にその事を指摘されると、順吉は烈火のごとく怒る。
それが何よりの証拠だと、寅は順吉を放って置けないでいた。
そんな中、悦子はスナックをたたみ、知床を引上げる決心をしたと順吉に告げるのだった。


りん子の歓迎にバーベキューが催された。
そこで突然、悦子から皆に話があるという。
船長は「俺との事か?」なんて言うが、全くそんな事ではなかった。
「いずれ分かってしまう事だから言うけど、この夏一杯であのお店やめる事にした、
ゴメンね、こんな話して、せっかく楽しい時なのに・・・」

「しかし水臭せえなかあさんも、決心する前に何で相談しねえの!」
「こないだ先生にはちょっと話したんだけどね。」
「で、何て言った?あの先生」
「仕方ないって言った・・・」
「俺は言わんぞそんな事は!反対だから黙っていたんだ!」
「どうして反対なの?」
「理屈なんかあるか。とにかく行っちゃいかん!俺が許さん!」
「何て偉そうな口きくの。私がどうしようと勝手でしょ!先生の女中じゃないんだよ」
「なあおじさんよ、あんたがそこまで反対してるのはそれなりの訳があるんだろ?
だったらその訳をちゃんと言ってみな」

「言えるか!そんな事・・・」
「言わなきゃおしまいだ、ママは新潟へ帰っちゃうもんな」
「だから俺は反対だと言ってるじゃないか!!」
「だからその訳を言えと言ってるんだ男らしく!!」
「勇気を出して言え、今言わなかったらな、おじさん、一生死ぬまで言えないぞ」
「よし!言ってやる・・・言ってやるぞ!!・・・俺が、行っちゃいかんと言う訳は・・・
俺が!!・・・俺が・・・俺が惚れてるからだ!!!悪いか!!」

悦子は泣き出してしまう。
感動的な告白に皆、感極まって「知床旅情」を歌う
りん子は寅の手をしっかりと握っていた・・・


その日の晩は朝までお祝い。その場で船長が
「寅さん、もしかしたら、りん子ちゃんに惚れてんじゃねえか?」
と酔った勢いでからかうと
寅は真っ赤になって怒り、りん子への手紙を残して姿を消す。
それを聞いたりん子もまた船長に怒り、泣き出してしまう。
怒った事が何よりの証拠・・・である。
真人に送ってもらう寅は、五年前に、真人がりん子に告白して振られていた事を聞く
「たいしたもんだな、お前・・・」



男はつらいよ~知床慕情
知床の大自然の中、大らかな恋の物語。
だが、私にはつらくて仕方がなかった。
順吉や真人の、恋愛への勇気を、まざまざと見せつけられる
寅次郎を見るのがつらい作品なのです。



ところで、
御前様はついに源をあきらめました。


あけみは印刷屋の娘なのに、タコに偽札印刷を提案してました・・・( ̄□ ̄;)


あ~あ・・・あの順吉の感動の愛の告白の場に、櫻がいたらなあ~
櫻さん物真似のレパートリーが一つ増えただろうに・・・( ̄▽ ̄)



男はつらいよ 知床慕情

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コメント

  1. 彰(あきら) より:

    あのあたりの作品では久しぶりにスカッとする
    さわやかさと広がりがありましたよね。ああ、映画だなあって。

    あけみ偽札を提案したあと、すぐ自分で却下してました。
    理由:印刷技術が…(^^;)

    見ていた満男「貧乏はやだねえ~」

    それにしても渥美さんの、うたた寝。
    ストン、バタン、「いらっしやいませ…」
    は、見事でしたよね。
    もう、惚れ惚れしちゃいました(^^;)

    ところで、
    おいちゃんの入院していた病院。
    看護婦さんの京子さんが勤めていた
    あの2丁目の吉田病院なんですよね。
    色は塗り替えられていましたが
    屋上にある『吉田病院』の看板や洗濯干し場が
    13年たっても第14作当時と同じで懐かしかったです。
    京子さんまだあそこに勤めてるかなあ。

    寅は会えたんでしょうか…。

    『しょちゅう…、おんみまいもうしあげます。』
    寅のあの言い回し最高にカッコいいです!。
    僕もいつかあの言い方誰かに使ってやろうと思っていたら
    熱帯の僻地に引っ越しちゃって1年中『しょちゅう…』です
    こまったぁ~(^^;)ゞ

  2. RUU より:

    おおお!そうなんですか!
    吉田病院!
    京子さんはもちろん働いてますよ
    今では婦長です
    大川弥太郎よりも稼ぐんですよ
    ちなみに、私の妻も私より稼ぎます (TT)

  3. 映画評「男はつらいよ 知床慕情」

    ☆☆☆☆(8点/10点満点中)
    1987年日本映画 監督・山田洋次
    ネタバレあり

  4. シネマの箱 より:

    男はつらいよ 知床慕情

    男はつらいよ 知床慕情(1987/日本)
    評価(お奨め度)★★★★☆
    監督: 山田洋次
    プロデューサー: 島津清/深澤宏
    企画: 小林俊一
    原作: 山田洋次
    脚本: 山田洋次/朝間義隆
    撮影: 高羽哲夫
    美術: 出川三男
    編集: 石井巌
    音楽: 山本直純
    助監督: 五十嵐敬司
    出演: 渥美清/倍賞千恵子/竹下景子/三船敏郎/淡路恵子/下絛正巳/三崎千恵子/前田吟/吉岡秀隆/太宰久雄/美…

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