男はつらいよ～葛飾立志篇

遠い初恋の感傷から、車寅次郎は学問を志す。


「あのーこちらに、
車の寅次郎さんって人おりませんでしょうか？」
一人の女学生がとらやにやってくる。
彼女はお雪さんの娘、最上順子、
学費の足しにと毎年お金を送ってくる寅次郎を
父親だと思い会いにきたのだ。
そこへちょうど寅次郎が旅から帰って来てとらやは大騒動に・・・
結局父親ではなかったが、順子からお雪が死んだ事を知らされる。


お雪さんとは寅次郎の初恋の人だ。
寅次郎の若い頃、何をやってもうまく行かず、どん底の時があり、
無一文で腹ペコでさまよっていた。
たまらず食堂に飛びこんでカバンと腕時計を出して、
「これでなんか食わしてくれい」
すると「いいんですよ、こまった時はお互いですからね」
と、山盛りの飯と豚汁を出してくれたのが”お雪さん”だった。
寅次郎には観音様に見えたと言う。
以来16年手紙を出し続けたという特別な女性だ。


寅次郎はお雪さんの墓参りに行く、
そこで住職から、お雪さんが生前、学問が無いが為に
男に騙された悲しい過去を聞かされる。
寅次郎は生まれて初めて学問を志すのだった。


ところが何をしたらいいのか分からず
とりあえず眼鏡を掛けてうろうろしてみた。
それが柴又中に知れ渡り、笑いものになる。
見かねて博が家庭教師をかって出るが
「冗談じゃないよ、それでなくったってお前は退屈な男なんだからさあ
ずーっとサシでいたら俺はあくびしたり屁ぇしたりしちゃうよ失礼だけどそんなあ」と拒否。
とらやに下宿中の考古学者を志す筧礼子に家庭教師になってもらう
寅次郎は礼子に引かれ、幸せな日々を過ごすが、
ある日、礼子に思いを寄せる教授、田所があらわれる
彼は愛について寅次郎から大いに学ぶのだった。


男はつらいよ～葛飾立志篇
寅さんは生まれて初めて学問を志した。
その本心は初恋の人、お雪への思いからの事、
礼子との時間という下心・・・は照れ隠しなのではないのかなとふと思うのです。
私は何故か男はつらいよ全４８作でこの作品が一番好きだ
ということはこの世の映画の中で一番好きと言うことだ。
「己の愚かしさに気付いた人間は愚かとは言いません、あなたは、もう立派な人だ」
・・・私もとっくに自分の愚かしさに気付いてはいるが、何故かずーーっと愚かなまんまだ。



ところで、
ガクランを着ての寅次郎のバイも見逃せない
「大都会の片隅に、コツコツと勉学に勤しむ私達苦学生にとりまして
片時も忘れないのはふるさとの事、お母さんこれが卒業証書だよ」・・・ヾ(≧▽≦)ﾉ



ところで源ちゃんはわかるけど何で轟巡査まで寅さんの見送りしてんだ・・・（￣ー￣?）…..??

男はつらいよ 葛飾立志篇〈シリーズ第16作〉