男はつらいよ~幸福の青い鳥~

男はつらいよ

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かわいい声で歌っていた、大空さゆりとの再会。
寅さんは彼女に幸せを手渡してやりたいと願う。

九州の飯塚、寅さんが昔から贔屓にしていた
「坂東鶴八郎一座」
その座長の
中村菊之丞
の訃報を耳にした寅さん、
線香をあげにいくと、そこで寅は懐かしい思いが溢れる。
当時、大空さゆりという名で、
かわいい声で歌っていた座長の娘(島崎美保)がいた。
「何か俺に出来ることあるかい?
大した事はできねえけどよ、
何か欲しい物はねえのか?」

「そおやねえ、青い鳥!」
「鳥?・・・鳥か、ああセキセイインコとか手乗り文鳥とか
俺の仲間はねえ、ひよこに赤い色塗ったり、青い色塗ったりして商売してるよ」

「フフ、おとぎ話よ。それを捕まえた人が幸せになれるっちゅう青い色の小鳥のこと」
「ほぇ~けっこうな鳥いるもんだねえ、あ!?青い鳥だったら俺持ってるよ」
そう言って、商売物の青い小鳥の形をした笛を手渡す寅さん
美保はよろこんでいた。
彼女は今の生活を変えたいと思っている。


寅を頼って東京に出てきた美保は寅と連絡が取れずに困っていた
食堂で島田健吾という画家を目指す看板屋の男と知り合う
美保はチンピラにからまれている所を、通りかかった健吾に助けられる
熱も出し困っていた美保を、健吾は優しく介抱し、部屋に泊めてあげる
・・・なかなかできることじゃない。健吾は素晴らしい人間だ。


寅さんがとらやに帰ってきて、美保も会いに来た
美保は当分とらやで暮らす事になり、皆で美保の職さがし&ムコさがし
朝日印刷は余剰人員がある程なのでダメなので、
とらやでどうかとおいちゃんに聞くと
「うちにも余剰人員がいるんじゃねえのか?ブラブラして働かねえ奴の事」
「みっともないんだよね、そういうのっっって俺じゃねえか」 ← はい、乗り突っ込み寅さん
その時、上海軒のおやじが出前をもって来る
上海軒は人手不足らしく、おやじ自ら出前している。
美保は過去に中華料理屋で働いた経験もあり、上海軒で働くことになった
おやじは「たまにはいい事もあんだな寅さん帰ってきて」と喜んでいた。
美保が店に立つとたちまち大繁盛。新メニューの九州とんこつラーメンも登場
ましてや寅の恋人だというスキャンダル性も話題になる
”寅の恋人が、上海軒で働いている”
この噂は備後屋の指示の元、柴又の町を瞬く間に駆け巡った
すさまじい速さの伝令システム
最終広報係の源公は慌てて寅さん本人に伝令してしまう
「アニキぃ!!寅の恋人がな!!・・・・」  ・・・( ̄  ̄;)
寅は寅で、美保が忙しそうなので出前を代わりに手伝う
だが寅はとらやの仕事をしてないのでちょっとばつが悪い。
でもしょうがないので、”文句あるか”的な顔と歩き方
とらやの前をおかもちをもって憮然と通りすぎる ←それなら前通らなきゃいいのに
それを見つけたおばちゃんはカンカンになって怒る
「あの男、一度だって団子配達した事あるかい!!!」
夜散々説教される寅さん。心を入れ替えて真面目に美保のムコ探しを始めるのだった。


源公を引きつれ、葛飾区役所の結婚相談所で美保のムコ探し
「ここでもって、結婚相手見つけてくれるって言うけど、ホントか?」
「え~、見つけるという言葉は、あまり適当じゃありません。
幸せな結婚を希望される方々の為に、よき配偶者となられる方をご紹介し、
お二人の相互理解をお作りする為の、相談と斡旋を行うのが私どもの事業なんです」

「ようよう、そう難しく言わないで、な、分かり易い言葉で、スッと言ってみな、スッと」
「ですから、平たく言えば・・・まあ・・・見つけてあげるという事になりますが・・・」
「さっきここへ入ってきた時、同じ事言ったじゃないか、近藤さ~~ん」
「で、こっち、どうしたらいいの?」
「こちらの書類を提出して頂いた上で、私がご希望を伺う事になりますが」
「ご希望って事はつまり、好みのタイプって事だ、つまりこういう事だよね
口数が少なくっても働き者だとか、あるいは、少々おしゃべりだけど明るい女だとか
ね、俺なんかどっちかっつと、静かな女いいねえ、俺こう見えてもね、おしゃべりなんだよ
だからね、相手の女もおしゃべりだとこれ、一日ピーピーピーピーうるさいしなあ
俺まるぽちゃが好きなんだ、朝なんかパッと目が覚めるだろ、するとニッコリ笑って・・・」

「八重歯、八重歯」
「お前しってるねえ!へへへ・・・あれ?俺がいつ自分の嫁さんの話した?
誤解すんなよこんちゃん!」

「こんちゃんって・・・」
「いや、俺の知ってる娘さん。いいムコさんを紹介したい。それで来たんだから。
ね、おお、バナナ、バナナ!」
 ← 税金払ってない後ろめたさから、せめてものバナナ
「じょーだんじゃない、これ受け取れません。」
「堅い事言わないでこんちゃん、名刺代わり、気持だから近藤ちゃん!」
「・・・もう帰って下さい!」 ← こんちゃん正しい!
「帰れ?帰れってのか!折角訪ねてきた善良な区民に対して!俺怒っちゃうよ!近藤!!!」
「ちょっとー!誰かー!!」
「近藤ー!!」
「乱暴はするなよ」 ← 何しに来たんだこの人


健吾は画家を目指して、日々コンクールに向けて絵を描いていた
その日はコンクールに落選。七回目の事だった。
美保は心配し、優しく健吾を慰める
「俺なんて才能のかけらもないクズなんだよ!!」
健吾は自棄になっていた。そしてそのやるせない気持を美保にぶつけた
そして美保に甘え、半ば無理やりに「泊まって行け」と迫った。
「・・・こなきゃよかった」
「悪かったなぁ!どうせ俺はこの程度の男さ!!」
二人は喧嘩別れをしてしまった。


ある日珍しく寅さんが店番。ちゃっかり昼飯に上海軒のチャーハンを注文済み。
そこに健吾が入ってくる。健吾は柴又の町で美保を探していたのだ。
「人を探してるのか?もちろん若い娘だな?・・・失恋したか?」
「何でそんな事分かるんすか。」
「幸せな男が、団子とビール一緒に食うかい。」
「へ、それもそうだな・・・」
「話してごらん、俺聞いてやるから」
「たった一言、ゴメンって謝りたいだけなんだけど、このままだと一生悔いが残りそうで・・・」
そこへ美保がチャーハンを持ってくる
「偶然だなおい、今この人とあんたの事話してたんだよ」
「お前の探していたのは、この娘の事か・・・」
「こないだは、悪かったな」
「何できたの?」
「そんな言い方ないじゃないかよ。一言侘びを言いに来ただけなんだぞ。
それを何だよ今の態度。俺そんなに悪い事したかな?自然な関係じゃないかよ。
イヤなら来なきゃよかったんだよ」

「だから、こないだそげん言うたでしょうが!!」
「そう!嫌いなんだな俺が?」
「女の気持の分からん人は好かん!!」
「そう!おしまいなんだな、分かった。二度とこねえよ!!!そのうち一流の画家になって
見返してやるからな!そん時後悔したってしらねえぞ!・・・お邪魔しました」

出て行く健吾をみて寅と櫻は、美保に追いかけろと諭す
「お前は、あの男が好きだし、あいつはお前に惚れてるよ、俺から見りゃよく分かるんだ」
「お兄ちゃんの言う通りよ!もしこのまま分かれ別れになったらどうするつもり?」
↑ おお!櫻さん経験者は語る!ダッシュで駅まで追いかけて電車乗るんでしょ?
柴又のホームで美保と健吾はいつまでも手をつなぎあっていた。
寅さんが用意した美保の婚姻届の保証人の蘭には、寅さんの署名がしてあった・・・


男はつらいよ~幸福の青い鳥
今まで寅が恋を指導してきた若者達とは全く違い、
寅さんの力のおよばない所で、愛を育んでいく二人
それを見ているだけの寅さんが、寂しそうだった。
以後、寅さんは二度と若者に、恋のコーチをすることは無くなった
・・・満男以外。



ところで、ポンシュウのコンピュータ占い
寅さんは寅年と入力するけど
あんた辰年だから ( ̄~ ̄;)




男はつらいよ 幸福の青い鳥

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コメント

  1. 彰(あきら) より:

    おおぉ、RUUさん!なんと、僕も昨夜、例のコンちゃんと寅の会話、
    頭の中で思い出してたんですよ!あの「まるぽちゃ」朋子さんの
    イメージかななんて…(^^)
    あ、岡本茉利さん扮する大空小百合ちゃんも、まるぽちゃ。

    ジンマ君の絵の才能に対する悩みは痛いほど分かります。
    とうてい人ごととは思えません。(^^;)ゞ

    さくらの名言
    「これ、おつり。…渡してあげて」

    走る美保。

    RUUさんの書かれたとおり第1作のさくらを
    思い出します。う~~ん。。。( ̄ー ̄)

    おとろしいあけみの迷言
    「一生足引っ張ってやる!」(^^;)

    青い鳥を求めて相変わらずの旅暮らしを続ける寅。
    有森さんに『ユニークゥ~』って言われてました(^^)















  2. RUU より:

    私も彰さんの
    寅次郎な日々読んで
    タイミング一緒だよ
    と思っていました!

    丸ぽちゃ、朋子さんですか
    言えてますねぇ
    あと思い浮かぶのは
    夕子さん
    蝶子さん

    夕子さんはでも
    寅でなくても
    日本男性の87%以上の人が
    一目ぼれしますねきっと

  3. 映画評「男はつらいよ 幸福の青い鳥」

    ☆☆☆(6点/10点満点中)
    1986年日本映画 監督・山田洋次
    ネタバレあり

  4. 小寅 より:

    TBありがとうございます。
    おっしゃる通り美保が追いかけるシーンは確かに第1作を思い出しますね! 
    私は丸ぽちゃと聞いて真っ先にお駒さんが浮かんでしまいました(笑)

  5. ハコ日記 より:

    男はつらいよ 幸福の青い鳥

    シリーズ第37作。「幸福の青い鳥」というタイトルは綺麗でお気に入りの一つです。

    この作品もすまけいさんや笹野高史さん等の影のレギュラー陣がしっかり脇を固めていて安心して楽しめます。
    満男に「おばさん」と呼ばれてそっけない態度を取られたあけみが「一生足引っ張ってやる!」というセリフなどノリにノッてるという感じがします。

    しかし、この作品の評価がイマイチなのはマドンナの設定が私のアイドル”大空さゆり”だということです。
    言葉の途中が高くなる独特のイントネーション、綺麗な声、質素で大人…

  6. RUU より:

    小寅さん
    駒子というより
    呼子港のヌードダンサー
    っっって同じですね(^^)

  7. シネマの箱 より:

    男はつらいよ 幸福の青い鳥

    男はつらいよ 幸福の青い鳥(1986/日本)
    評価(お奨め度)★★★☆☆
    監督: 山田洋次
    プロデューサー: 島津清/中川滋弘
    企画: 小林俊一
    原作: 山田洋次
    脚本: 山田洋次/朝間義隆
    撮影: 高羽哲夫
    美術: 出川三男
    編集: 石井巌
    音楽: 山本直純
    助監督: 五十嵐敬司
    出演: 渥美清/ 倍賞千恵子/志穂美悦子/長渕剛/有森也実/下絛正巳/三崎千恵子/前田吟/吉岡秀隆/太宰…

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