つねさん語録　№１５

本名：車つね。
寅さんの叔母。我らがくるまやのおばちゃん。
キップはいいが、涙もろくて心配性。超がつくほど現実主義の彼女は
柴又の涙と笑いのポイントゲッター。

つねさん語録 №１５

「男はつらいよ～寅次郎相合い傘～」 （１５）

ある朝、会社に行くと家を出たきり、家族にも何も言わずに
自由を求めて当てもない旅に出てしまった、会社重役の兵頭
その兵頭は、青森で寅さんと知り合う
寅さんは、そんな兵頭が心配で一緒に旅を続けるのだった。
その頃、兵頭の家では、家族が心配し懸命に行方を捜していた・・・


「一家の亭主がだよ、ある朝”プイ”と出たきり行方不明じゃさ、
家の者が心配で、いてもたってもいられねえだろう！」
そう言って、家族に連絡をとるように促す寅さん　←　あんたが言えるのか？
それでも兵頭は連絡をとろうとはしないので、
寅さんは仕方なく、櫻に電話で兵頭の家に、無事を伝えるように頼んだ

櫻が電話をすると、兵頭の家内はとても驚き、
ひとまずはほっとしたものの、肝心の居場所が分からない。
電話ではらちがあかないと、とらやに駆けつける兵頭の家内だった。

兵頭の家内は、寅さんの出張先が分かればおのずと居場所がわかるはずだと言う
おいちゃんおばちゃんは、その質問に困り果て、櫻に応援のための出頭を要請
櫻の到着をいまや遅しと待ち焦がれていた。

「どうも遅くなりまして」

「ああ！櫻さん！！お上がりあそばせ」　
この櫻への挨拶で、おばちゃんのパニック度がよく分かります　(^_^)

「兵頭の家内でございます、まあ、この度は
お兄様に主人が大変お世話になりまして」
「いえ、とんでもございません」
「実は、先週の月曜日、いつものように家をでたんでございますが
お昼ごろ会社から連絡がございまして、出勤していない事がわかりまして
大騒ぎになりました。わたくしの口からこんな事申し上げるのは
なんなんでございますが、主人はいたって気の小さい人で、
仕事上の手落ちだとか、女性関係というのは全くない人でございまして
じゃ何故こういう事になったのかとなりますと、とんと検討もつかないで
途方に暮れていました所、夕べのお電話。
とにかく、生きている事が分かっただけでも、どんなにほっとしたことか・・・」
「それで奥様、先ほどの事・・・」

「あの・・・櫻ちゃん、
寅次郎の出張先どこでしょう？」

聞かれた櫻、”寅次郎の出張先”という言葉に、思わずニタ～～っと笑ってしまう
「もしご存知なければ、上役の方に聞いていただければ分かると存じますが」
言われた櫻、”寅次郎の上役”という言葉に、に唖然としてしまう
「あいつの会社・・・何株式会社って言ったか？」
「何かセールスの方をおやりあそばしてるとか」
言われた櫻、この人物に”車寅次郎”を説明するのは不可能だと気づく　
この時、店に客が来たので、おばちゃんは席をはずし、戻って来ませんでした

「ごめんあそばせませ」

「あのう・・・会社って申しましても・・・あるのかないのか分からないような・・・」
「まあご謙遜を。まさか道端で叩き売りをおやりあそばしてるんじゃ
ございませんでしょ」　そのまさかですよ
「似たり寄ったりじゃないでしょうか・・・」
「冗談をおっしゃらないで、真面目にお答え下さいませ！！お願いします」

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この人物に”車寅次郎”を理解させるのは、相当骨の折れる作業。
おそらく、何も説明できず、居場所の手がかりも得られず
帰ったのだと思う。

それにしても
日本橋の大棚の呉服屋のおかみさんになりたい
という夢を持っていたおばちゃん
ちょっとその素質はなさそうな
おばちゃんの、”初ざあます言葉”でした。