男はつらいよ~奮闘篇~

男はつらいよ

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純情無垢な花子に、恋をする寅次郎


寅さんの母、がとらやにやって来た。
一年前の寅からのはがきで、近々
もらうとあったので一目会いに来たのだ。
だがおいちゃんおばちゃんは誰の事か
さっぱり分からないかった。
浦安の節ちゃんじゃないか?
はがきの他に小包来なかった?
油揚げの入ったやつ。

結局、寅の妄想と分かり、がっかりして
ホテルに戻る菊さんだった。

そんな時、寅さんが帰って来ます。
皆に帝國ホテルへ菊に会いに行けと
言われるが、寅さんは会おうとしない
生みっぱなしで自分を捨てた母に会うことは無いと言う
格好つけて意固地になる寅さんを皆で説得したが
そんな真面目な話をしている時に、大きくて、とびっきり臭い”屁”をしてしまい
おいちゃん、おばちゃん、櫻、そして博までをも巻き込んだ大喧嘩になってしまった
翌日、櫻に連れられて、会いに行ったのだが、2年経っても全然進歩の無い
寅を見て菊はあきれてしまい、結局またまた親子喧嘩になってしまう、
「お前の事は色々聞いた、お前いったい何しとんねん、え!何でもかんでも恋して
どんどんどんどん振られやがってな、それが40に手の届く大の男のすることか!
お前ちょっと脳が足らんのと違うか!」

「黙って聞いてりゃひでえ事言うじゃねえかよ!
脳の足りねえ子産んだのは、どこのババアだ!!」

「生まれた時は足りとったんや!!」
「そうか、へ!そうだろうな、ひりっぱなしでもって放りだされてよ、
長い間雨風に打たれてりゃ、脳みその半分位はとけて流れちまわ!」

猛烈に怒って部屋を出て行ってしまう寅さんだった。
「お母さん、いくら何でも、あんなひどいおっしゃり方無いと思います
あれじゃお兄ちゃん怒るの当たり前です。脳が足りようと足りまいと
お母さんの息子でしょ?私にとったって、たった一人のお兄ちゃんなんです
あんなひどい言い方しないで下さい!」
 
↑ 櫻さん、脳が足りないの所を否定してあげた方が・・・(^^ゞ
「さくらちゃん・・・おおきに・・・おおきに・・・あんな出来損ないの子
そないまで思うてやってくれて、おおきに・・・おおきに・・・」

涙を流して、櫻に礼を言う菊だった。


寅さんは、旅先の沼津で太田花子という女の子と出会う
花子は青森の田舎から、集団就職で出てきた子で
世間知らずで、純情無垢な、一人では何一つまともに出来ない様な、女の子だ
おそらく、就職先から逃げ出し、故郷青森に帰ろうとしているのだが
どうしていいか分からないでいるようだった。
「駅・・・どういけば?」
花子から駅への行き方を訊ねられた寅さんは、彼女の事が気になった。
駅へ行ってみると、案の定、何も出来ずにただ泣いているだけの花子。
寅さんは切符を買ってあげて、青森までの行き方を教えたのだが
花子は涙を浮かべ、まだどうも、あまり理解していない様子だった。
「もし、東京でもって迷子になったらな、葛飾の柴又のとらやって団子屋を
訊ねて行きな、よう、おい!分かってんのかよ?ちょっと言ってみな」

「かしつか・・・しままたのとら・・・」
寅さんは心配なのでメモを書いて渡した
「これ持ってな、迷子になったら、おまわりさんにこれを見せて
このうち訊ねて行きな、そこでな、寅ちゃんに聞いてきたってそう言えよ」

「寅ちゃん?」
「うん、俺、寅ちゃんっていうんだよ。さあ行きな」


柴又のとらや、やっぱり迷子になったのか、花子が訊ねてきた。
「寅ちゃーん、寅ちゃんいねえの?おじちゃん、寅ちゃん居るべか?」
「ううん!?いぬべよ・・・」
「あんた、だあれ?」
「太田花子!」
花子に事情を聞いても、寅さんを頼って来た事以外さっぱり分からず、
一同、どうしようか困ってしまっていると
花子が迷子になってやしないかと心配になって、寅さんが戻って来た
が、本人、花子が居るかどうかをチラッと見に来ただけのようで、
ちょび髭とサングラスで変装していた。 ← 普通に見に来てもいいと思うぞ
自分では完璧な変装と思っているが、一発で寅さんだと分かる。
チラッと見ただけでは確認できなかった寅さんは、電話をかけてきた。
電話で花子が居ることが分かったとたん、物凄い勢いで駆けてきた寅さん。
「どこだ!!どこ、どこだあ!!花子~~!!」
ところが、寅さんは変装していたので、花子は知らない人が来たと思い、逃げ出す
「おっがねえ~~助けてけれ~~」
「お、おい、花子!!ほれ、俺だよ、俺だよ寅ちゃんだよ」 
↑ ああ!髭と眼鏡とった!寅さんだったのか!! (* ̄m ̄)プッ
「寅ちゃ~ん」
「うん、そうかい、来てたのか~~」
心細かった花子、心配でたまらなかった寅さん
二人は、泣きながら、再会を喜んだのだった。


皆で相談して、しばらく花子はとらやで暮らしてもらう事になった。
そこで寅さんは、花子の仕事先を探すのだが・・・
・朝日印刷・・・タコ社長の女性遍歴と、花子へのセクハラが問題で×
・題経寺・・・門にスケベという落書きがあり、御前様の事かもしれないので×
・とらや・・・客層が悪いのと、おいちゃんが花子に馴れ馴れしいので×
このままずるずるとここで暮らすより、故郷に早く帰してやりたいと皆が思う中、
寅さんはますます、花子にべったりだった。
「♪い~くと~せ~ふ~るさ~と~き~て~み~~れば~♪」
「花子、歌うまいなあ」
「寅ちゃんには、奥さんいるか?」
「そんな者いるかよ」
「私・・・寅ちゃんの嫁っ子になるかな・・・」
「ええ!?・・・よせよ!何言ってんだい!からかうんじゃねえよ~
フフ、笑っちゃうよ、俺のお嫁さんになるなんてよ。そんな事、
うぶなお前が言うなんて・・・でもよ、ありがとう、俺、その気持ちだけで
充分なんだよ。花子、もうお前、どこへも行くなよ、故郷にも帰るなよ
ずっとここに居ろよ・・・俺が・・・一生面倒見るからよ。な、花子」

「♪ふ~けゆく~あ~きのよ~た~びのそ~ら~の~♪」
寅さんのプロポーズだったが、花子は聞いていなかった。歌いながら花を積んでいた


寅さんはますます、花子しか見えなくなっていった。結婚も真剣に考えていた。
そんな寅さんと花子を見ていて、
櫻も何とか二人を一緒にする道は無いものかと、
真剣に考え出し、周りの人を説得していた。
”あの二人が幸せになれるのなら、他の問題はどうでもいい”という櫻だが、
それで本当に花子は幸せになれるのかと問い詰められ、答えは出せずにいた。
そんな中、青森県の花子の故郷から、恩師の福士先生が花子を迎えにやって来た。
彼の教育理念や花子への想いを聞けば、寅さんとここで暮らすのと
福士先生に花子を任せるのと、どちらが花子にとって幸せなのか
誰の目にも明らかだった。なにより花子自身も先生に会い感激していた。
その夜、寅さんが商売から帰ってきた
「花子、花子?花子どこ行ったんだ。花子、花子~
おい、花子どこ行ったんだよ。何黙ってんだよ櫻。花子いったいどこ行ったんだよ」

「あのね、お兄ちゃん。花子ちゃん田舎へ帰ったの・・・」
「何ぃ~~!!」
「お昼過ぎ、青森から学校の先生が引き取りに来てね、一緒に帰ったの。」
「・・・」
「せめてお兄ちゃんが帰るまで引き止めようとしたんだけど・・・とっても
お兄ちゃんに花子ちゃん会いたがってたわ、田舎に着いたらすぐ手紙書くって
福士先生もくれぐれもお兄ちゃんによろしくって。あの先生なら安心よ。」

「・・・お前達、嫌がる花子を、無理やり帰したな。」
「それは違います!!花子ちゃん故郷へ帰るの、とても喜んでましたよ」
「俺は花子のそばに一生居てやるって約束したんだぞ、そんな筈あるもんかい!!」
「そういう事もあったかも知れないけど・・・」
「ああそうかい!!分かったよう!!それじゃ花子は、俺みてえなやくざ者のそばに
居るより、その津軽のなんじゃら先生のそばに居たほうが幸せだって
そう言うのか!!そうなんだろ!!そうなんだろ!!!
はっきり言ってみろ!!櫻!!そうなのか?」

「・・・そうよお兄ちゃん、その通りよ」
寅さんは、止める櫻を、弾みで突き飛ばしてしまい。
カバンを持って飛び出して行ってしまった。
数日後、津軽の花子の元気な姿を見届けた、寅さんからはがきが届くのだった。



男はつらいよ~奮闘篇~
花子を護りたいという想いから、
一生、花子のそばに居てやろうとまで、心に誓う寅さん。
だが、まもなくして、二人には別れの時がきてしまう
心を鬼にして、花子の幸せの為だと言いさとすのは
他の誰よりも、この二人を一緒にさせたいと願っていた櫻だった。




ところで、
集団就職の子達の乗る汽車を「しっかりやれよ!」と見送る寅さん。
でもその汽車は寅さんも乗る筈の汽車でした
もうちょっと本気で走れば、追いつけた感じ、寅さん惜しい!!


おなら騒動は、シリーズ中屈指のお笑い名場面。あの中の
「商売に励めよ!からっきし店が暇だから、人の屁まで気になるんだよ!」
という寅さんの意見は、僕は激しく同意します。本当にそうだ
名言だと思います。 (ー_ー)


36年前の作品なのですが、
何故か、出演している田中邦衛さんは今とまったく同じ見た目です ( ̄□ ̄;)







コメント

  1. つねさん語録 №7

    本名:車つね。
    寅さんの叔母。我らがくるまやのおばちゃん。
    キップはいいが、涙もろくて心配性。超がつくほど現実主義の彼女は
    柴又の涙と笑いのポイントゲッター。

  2. 彰(あきら) より:

    この「奮闘篇」のポスター大好きなんです。
    今も僕のバリの部屋の壁に貼ってあります。
    マドンナが写っていない超珍しいポスターですが(^^;)ヾ
    なんとも正調「男はつらいよ」のイメージです。

    花子ちゃんは、全マドンナ中最も穢れ泣きマドンナですよね。
    彼女の歌はほんとよかった~( ̄ー ̄)

    そしてこの第7作は
    ファーストシーンの越後広瀬駅のやり取りの
    なんともいえない素朴さ。
    そしてラストの、さくらと寅のほっとする幸せな再会シーン。
    この二つが両端でしっかり支えているので
    とても味わい深い作品になっていますよね。

    まあそれにしても菊さん!、放送禁止用語連発の
    啖呵は見るたびにドキドキものです、凄いなァ~…(^^;)
    それにあの超ド派手な菊さんの服装は、
    リリー、源ちゃんと腕を組んでいた恋人、キャッシーとベッティ、
    と並んでド派手ベスト5に入りますよね(^^;)
    あ、おばちゃんのハワイ旅行服&成金ガウンを忘れてた(^^)
    チャンチャン




  3. RUU より:

    彰さん
    コメントありがとうございます
    大洲のお殿様の宮使いの吉田さんの
    娘?(愛人?)のこずえちゃんも
    なかなか、おきゃんな派手さがありました
    キャバレーチラシ配達中の博にばったり
    会ったときのリリーも物凄い格好でした

    僕はポスターは49作
    「寅次郎花へんろ」が最高ですね
    あれポスターになってれば買います


  4. 小寅 より:

    ラストで
    バスの中で寅を叱るさくら
    でも途中で笑ってしまうシーンが
    何ともいえず好きです。。。

    派手な格好といえば
    すみれちゃんのお母さんも
    パンチが効いてましたね~

    私の部屋には「あじさいの恋」の
    ポスターが飾ってありますが
    RUUさん同様
    第49作「寅次郎花へんろ」が
    ナンバー・ワンです

  5. RUU より:

    小寅さん
    コメントありがとうございます

    「まいど~~ご乗車~」
    僕はバスに乗るたんびに
    あのシーンを思い出します

    鯵ヶ沢村・・・
    行こうとしてますでしょ?
    楽しみでワクワクです
    (^_^)

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