恩返しのハワイ旅行と、
幼稚園の先生、春子への恋。
今度柴又に帰る時には
必ず、おいちゃんおばちゃんに
いい目みさせてやりたい。
そんな思いで名古屋競馬へ向う寅。
全財産を賭け、拝み込んだ馬
ワゴンタイガー(直訳:車虎)
これが見事的中!万馬券!!
結局財布には100万円の札束。
寅さんは名古屋からタクシーで凱旋。
皆に勧められ、おいちゃんおばちゃんを
ハワイ旅行に連れて行く事に。
元舎弟の登の勤める旅行会社に申し込み
旅行当日、柴又の皆に盛大に見送られた3人。
ところが、登の旅行会社の社長が寅さんの金を持ち逃げしてしまう。
旅行は行けないし、近所の手前帰ることも出来ない3人は
ハワイには行った事にして、こっそりとらやに戻り、電気もつけず隠れていた。
悪い事は続くもので、そこに何と、泥棒がしのび込んでくる
これには忍び込んだ泥棒もびっくり、留守のはずが中に人が居た。
寅さんは泥棒を捕まえて警察を呼ぼうとするが、警察沙汰にすれば
近所の人たちに、ハワイに行かなかった事がばれてしまう・・・
困った寅さんは泣く泣く泥棒に口止め料1万円を渡して開放する。
だが、またまた悪い事に表にたまたまいた警察官から逃げ出す泥棒。
結局近所は大騒ぎ、寅さんたちがいる事もばれて、いい笑い者になってしまった。
悪銭身につかずとはまさにこの事、寅さんはおいちゃんに怒られ、旅に出て行った。
「悪い夢でも見てたんだよ、櫻ちゃん・・・」
「おばちゃん、また白髪が増えたね。」
「当たり前さ、寅さんが帰ってくると白髪が増えるんだよ。困った人だね本当に」
そう櫻と話すおばちゃんの顔は何だかとても嬉しそうだった
ハワイは幻に終わったが、老夫婦を思いやる寅の気持はちゃんと伝わっているのだ。
とらやの二階に宇佐美春子、という幼稚園の先生が新しく下宿している。
この春子がとっても美人。悪い事にそんな時に寅さんが帰ってきて
たちまち春子に目が釘図け、声は裏返り、放心状態。一目で恋に堕ちてしまった。
それも少々暴走気味、昼間は幼稚園まで行き、お遊戯とお唄の時間に参加。
朝日印刷の職工連中の部屋から春子の部屋が見えないようにと
高い壁で遮ってしまい、人権問題に発展。
挙句の果てにはおいちゃんに、春子から下宿代を捕る事を反対し抗議
美しい春子が住んでくれるんだから、逆にお金を支払うべきと言う。 ←正しいかも
それほど春子に夢中になってしまう寅さんだった。
春子には縁の薄い父がいて、今おもい糖尿病を患っていて危険な状態だった。
その父は春子との生活を望んでいたが、春子はそれを受け入れなかった
おそらく、その父は春子やその母にひどい事をしてきたのだろう
その報いなのか、とうとう願いは叶わず、息をひきとってしまった。
どんな父でも亡くなってしまった今、やはり悲しみに暮れてしまう春子だった。
何とか春子に元気を出してもらおうと博に相談する寅さん
すると3つのアドバイスをもらえた。
1、綺麗な湖でボート
2、美しい音楽を聞く
3、悲しい恋愛小説を読む
という訳で、春子をボート遊びに、水元公園に誘う寅さん
そこに朝日印刷職工軍団の乗るボートを3艘しこみ、
ボート遊びの最中ずっと、彼らによる「世界は2人の為に」が演奏された。
(この演奏と歌がなかなか旨い!!ただし曲目に寅さんの下心が見え隠れ(^_^;))
これにより、1番と2番は無事行われた ← 春子にはあまり効果ないようだ
だが、どうしても3番が出来ない。寅さんの引き出しには恋愛小説は全くなし!!
寅さんはダメ元で、おいちゃんに相談。これがひょうたんからコマ
おいちゃんは昔読んだ「婦系図」を勧めた。寅さんがすじを聞くと
”芸者のお蔦と帝大生の主税の、身分違いの許されない悲恋物語”
をおいちゃんは夢中で涙ながらに語りだしたのだ。
「~お蔦!早瀬が来た!!ここにいるぞ~!!」
「お蔦はな、もう目が見えねえやな、意識も朦朧としている、細い手で
先生の襟を掴んでこう言ったんだ・・・」
「ねえ・・・苦しい・・・口移しに、薬、のませて・・・」
「うん・・・うん・・・それで?どうしたい?」
全身で語るおいちゃん、いつの間にか聞いてる寅さんも泣きじゃくってしまっていた。
そんな2人を見ておばちゃんはすぐさま2階の春子を呼びに走った
「先生、ちょっと!降りてらっしゃいよ!もう、可笑しくって!!早く!!」
おばちゃんと春子がこっそり覗いているのもしらず、おいちゃんは佳境に入る。
「・・・お蔦はな、うっとりと仰向けになってな、これが最後の一番いい台詞だ」
「早瀬さん・・・先生が、会ってもいいって・・・うれしいね・・・
さすがの先生も、はらはらはらと貰い泣きだ!!」 ←おいちゃん涙でぐしゃぐしゃ
「おいちゃん・・・あんまり泣かせねえでくれよ・・・そんなに悲しくっちゃ
早瀬君だって、泣いちゃうよなあ・・・」
おいちゃんと寅さんは悲しみで涙が止まらず、2人で1つのハンカチで涙をぬぐう。
「ハッハハハハ!!!」
それを見ていたおばちゃんと春子はたまらず笑い転げてしまっていた
「ごめんなさい、笑ったりして・・・つい何だか・・・本当ごめんなさい」
そう言っても笑いの止まらない春子だった
「先生笑ったなあ!!先生久しぶりに笑ったなあ!!!」
「お~い!労働者諸君!!今夜は俺のおごりだ!!大いに飲もう!!!」
春子に笑顔が戻った事が、たまらなく嬉しい寅さんだった。
本を贈ったり、歌を聞かせたりするよりも、寅さんとおいちゃんの方が
全然面白可笑しいに決まっている。春子を呼びに言ったおばちゃんナイスプレイだ。
「私、前より少し素直になったのかも」
そんな春子は、ある日、とらやに恋人の相沢をつれてくる
あなたを素直にしてくれたの相沢さんじゃなくって寅さんなんですけど・・・
なにもとらやにつれてこなくても・・・春子さん寅さんの気持わかんないかなあ
そんなんじゃ、お子さん達の保育はちょっと無理だね ( ̄~ ̄;)
柴又中、春子の恋人の噂で持ちきりの中、寅さんが帰ってきて春子の部屋に直行
失恋した寅さんはその日、やけ酒を飲み、夜中まで帰らなかった
旅立つ時、寅さんはおいちゃんおばちゃんの寝顔に、こう呟くのだった
「何だよぅ・・・すっかり年とっちまいやがって・・・おいちゃん、おばちゃんよぅ
毎度の事ながら、また笑い者になっちゃったぃ。俺は旅に出るぜ。なあ・・・
また今度もよ、何一つ恩返しらしい事はしてやれなかったなあ・・・
そのうち必ず、必ずいい目みさせてやるからよ、勘弁してくれや・・・
春子先生によろしくな、あばよ。」
このまま自分がここに居ると、春子との間に妙な噂がたつと考えたのだろう
寒風吹きすさぶ中、一人、旅に出るのだった。
男はつらいよ~新・男はつらいよ~
「また笑い者になっちまったよ」寅さんはそんな風に言うが
感謝の心を受け、おいちゃん、おばちゃんが
幸せな気持になれた事も
春子先生に笑顔が戻った事も
全て、その笑い者のおかげなのだ。
ところで、
とらやさんの仏壇開けたら、中からネズミが出てきた
食品を扱っているのだから、衛生管理は徹底してもらいたいね
お菓子を作ってんだからさぁ清潔に!・・・あっ、とらやの話ですよ(* ̄m ̄)プッ
おばちゃんは、へそくりを隠す場所のセンスゼロ。
仏壇の中じゃバレバレ (^o^)
この4作目と3作目あたりの公開当時
私は0歳だった。もしも大人だったら抗議の電話をしてたでしょう
「櫻さんの出番が少なすぎるぞ!!」
コメント
第4作は、佐山俊二さん、二見忠雄さんなど、下町風情の中で
生きる人々が実にいい顔をしてスクリーンを
駆け回っていましたよね。懐かしき柴又でした。
独り旅発つ寅。
回る自転車の車輪、風になびくカーテン。
おいちゃんおばちゃんのなんともいえない表情(TT)
寅の立ち去ったあとのあの情感がたまりません。
僕はあの作品のラスト大好きなんです。
由布岳をバックに力強く走る蒸気機関車。
躍動感のある車内。
弾ける寅と乗客たち。
なぜかタコ社長の奥さん(水木涼子さん)も
寅の横で大笑い(^^;)
彰さん
コメントありがとうございます
佐山俊二さん、今回は蓬莱家
「寅さん寅さんって言ってましたよ
四角い顔して、目が細くて・・・」
「少し馬鹿みたいな?」
この感覚最高です
他の作品では備後家だったり
おしゃまんべの熊だったり
寅にとらやを紹介する不動産屋
・・・大好きです佐山さん
SL大ファンは山田監督なのに
小林監督もSLファンなのでしょうか
なんといっても
おいちゃんの「婦系図」の語りですね~
これは初代おいちゃんじゃなければ
出来なかったでしょうね。
寅が鼻をかんだ手拭いで
顔を拭く仕草なんか最高です♪
今回は(も?)かなり辛い結末ですが
それを忘れさせてくれるエンディング・シーン。
大好きな作品です♪
私は・・・
何故か”弁天屋”さんが印象に残ってます(笑)
小寅さん
コメントありがとうございます
森川信さんは天才ですね
渥美、森川コンビに
あんな事されたんでは
どんな人も笑い転げてしまいます
弁天屋さん?
( ̄ー ̄?)
どの人がそうなんですか?
柴又界隈の人がずらずら
登場するんで僕はさばききれて
いません
なんか面白そうなキャラっぽい
じゃないですか!
よかったら教えて下さい
注目してみます
RUUさん、小寅さんが書かれていた『弁天屋』さんは、
いつも蓬莱屋さんと一緒にいた、あのアゴのデカイギョロ目の
人ですね。僕も上↑に書いた『二見忠夫さん』のことですね(^^)
佐山さんと一緒にドタバタ凄い熱演されていました。
寅がタクシーで帰って来た時なんか、
出前のオカモチ放り投げて源ちゃん自転車の
後ろに乗せて追いかけて行ってました(^^;)
寅が春子先生の恋人とご対面した時、
下でみんな怖がって逃げますよね。
あの時おいちゃん
『おい弁天屋、おめえオレと話あんだろ、え』
って彼の名前呼んでましたね。
佐山俊二さんと二見忠夫さんは第4作の顔ですよね。
二見忠夫さんは30年以上前の超人気テレビドラマ「雑居時代」で
編集長役してました。(主演石立鉄男、大原麗子)
あ、古すぎて分からないですか、こりゃ(^^;)ゞ
彰さん
ありがとうございます
分かりました
あの、アゴ勇に似た人
あの人が弁天屋さんですか~
注目して見てみます
どうも佐山さんがいると
佐山さんばかり見てしまうので(^_^;)
彰さん、はじめまして!
代弁して頂きありがとうございます。
二見忠夫さんという方だとは知りませんでした。
いつもコメントを読ませてもらって
知識の深さに感心させられてます。
これからもよろしくお願いします。
RUUさん、弁天屋さんは彰さんがおっしゃってた方です♪
第4作のみの出演ではないかと・・・?
”自然な”ではなく”一生懸命な”演技が
凄くいいんです♪
小寅さん、遅ればせながらはじめまして(^^;)ゞ
こちらこそよろしくお願いいたします。
あの第4作は、佐山さんや二見さんはもちろんのこと、
松竹の大部屋の人たちも実に生き生き
演技してるんですよね。
予算と時間不足で、遠くにロケ行けなかったせいも
あるでしょうが、柴又をたっぷり撮っていて、
風情が実にいいんですよねえ。
第4作は、倍賞さんがほとんど出れないとか
予算が少ないとか時間が足らないなど、
いろんなハンデの中で
よくあれだけのレベルまで
もっていったなって感動しますね。
彰さん、小寅さん
コメントありがとうございます
お二人とも・・・
マニアックすぎ!!!
なんでそんなに詳しいんですか?
恐ろしいです( ̄□ ̄;)
二見さん注目してみます
ありがとうございました